Tommy03 Origami

折り紙創作のことをメモ的に書いていきます。

Twitterで振り返る2023年創作品まとめ

こんにちはTommyです.

気づけば2023年も終わりに差し掛かり,ブログでの作品紹介があまりできないままに結構な期間が経ってしまいました.

本当ならすべての作品に対して1つずつ記事を作って記録したいのですが,現状それは難しい(創作時の記憶が曖昧だったり,時間がなかったり)というのが正直なところ.

そこで本記事では2023年に創作した作品のTwitter投稿を紹介しながら,創作時の話やコメントを書きつつ振り返っていくことにしたいと思います.

以下創作順に.

 

1月

新年初折りのつもりで創作した作品です.この時期は確かじんわりスランプだった記憶があります.前年10月に創作したフクロウ以降あんまり作品がウケてなくて焦ってた感じですね.そういう状況の打破のためになんでもいいから一つ作って勘を戻そう!ということで制作しています.題材にラッコを選んだのは同時期に見た萩原亮さんの彫刻が素晴らしかったので折ってみたいと思ったからでした.

 ・とにかく形にすること

 ・なるべく折りやすくしたい

という2点を意識して魚の基本形2枚の複合で作っています.当時はまだオンラインだった東海例会で発表したところ,「目を省略しているのはなかなか思い切ったデフォルメで面白い」というコメントを頂くことができました.後に詳しく書きますが,その後創作する上ではこのコメントからけっこう影響をもらってるなという気がします.

2月

以前から作ってみたいと思っていた,「端子が裏表両方折ってあるUSBメモリ」に着手した作品です.今となってはお馴染みとなった魚の基本形から作っています.まあまあ頑張ったつもりなのですが,紙のあちこちで領域を持て余し気味だったり,裏側のメモリ本体部分に大きな折りフチが出てしまっていたりと改善点アリアリな作品になってしまいました.まだこの辺もスランプ感がありますね.

Twitterでの発表は遅くなっちゃったのですが,こちらも2月に創作した作品.シンプルな楽器を折りたいなと思っていろいろ考えていたら「バイオリン系の弦楽器は魚の基本形からスムーズに折れそう」ということに気づいて作りました.バイオリンにするには肩当ての部分を折りだす領域が足りなかったのでチェロということにしています.自創作のなかでもかなり手軽に折れるのと,仕上がりがきれいになるので気に入っています.創作時は写真が思うように撮れなかったのと,スランプ続きでこれを完成として良いものか自信がなかったのがあり,投稿が遅れていました.

3月

ぼっち・ざ・ろっくをネットフリックスで一気見した時に創作したメンダコのぼっちちゃんです.題材としてのとっつきやすさ故か確か同時期に他でも何名かの作家さんが創作されていた気がします.創作の際には

 ・とりあえず立体感は欲しい

 ・顔はインサイドアウト

という2点を主アイデアとして試作を始めました.半ば即興的な作品なのでいきなり魚の基本形で始めて,長い角1つを顔のインサイドアウト,短いカドの1つをアンテナに使って一気にまとめました.その結果,魚の基本形の長いカドと短いカドはまるまる余ってしまったのですが,完成させるのを優先して妥協しました.また,髪飾りも色数の観点から諦めたのですがぼっちちゃん特有の造形強度の高さによってわりとそれらしくなっている気がします.ぼざろ見てた友人からは好評だったので何個か作ってプレゼントしたりしました.

6月

完全に思いつき,即興です.アイデア,というほど大したことはしていない,本当に素朴な作品ですが,かなりそれらしく仕上がってるので面白いなと思います.前作から創作時期が割と開いてるのは大学の講義が異常に忙しかったからです.

7月

「鶴の基本形の背中の内部カドをつぶし折りすると蟹の甲羅に見える」ということに気づいて一気に作った作品です.Twitterカニをモチーフにした置物か,小物入れかを見たときに思いついたんだったと思います.鶴の基本形の長いカド4つのうち2つをハサミ,1つを顔と目,1つを腹に充てた結果、脚は内部からの折り出しとなり,今の形になりました.

節足動物の脚としてはイレギュラーな造形なのですが,全体的なデフォルメ感と相まって面白い雰囲気になったのではないかと思います.すけさん,TAONさんにお見せしたところ「足はしっかり省略しているのに対し目はきっちり折っている感じで,取捨選択の仕方が面白い」というコメントを頂きました.

この作品を機に,作品を作る上での自分なりの取捨選択の仕方というところに対する意識が強まった気がします.シンプル系の創作がほとんどなのでもちろんそれまでも意識してはいたのですが,その傾向が強まったというか,より思い切った省略を取り入れることを考え始めるようになりました.自分の中ではこの作品を機にスランプから脱することができた感覚があり,カニに助けられたなあという感があります.

 

1月に作ったラッコのリメイクです.もともと2枚複合にしていたのですが接合部の作りがいまいちで不満が残っていたため,1枚で作り直せないかと試してみたら想像以上にうまくハマりました.構造も非常にシンプルで,完成したときはああこれでよかったんだなあという納得感があったのを覚えています.

一応簡易の展開図です.本当にシンプル↓

 

9月

スーパーで買い物をしていたときにオニオオハシの絵柄のついた缶コーヒーが売っていて,そういえばオニオオハシも折ってみたかったんだよなあと思い着手しました.

オニオオハシの特徴といえばなんといっても体の半分くらいある大きなくちばしです.基本構造は魚の基本形で,2つの長いカドをそれぞれくちばしと体に,2つの短いカドを脚か羽にすればいいかな,くらいの気持ちで試作をはじめたところ現在の形がきれいに収まりました.シマエナガも実は似た構造を取っているので,魚の基本形は羽を折りたたんだ状態の鳥を作るのに向いている気がしています.

 

11月

NUFoldersで前作の馬の話をしていた際,今の作風で馬を作ったらもっと違ったやり方になるかもな,と思ってやってみたくなり,創作したものです.

馬などの疾走感がある動物は脚を長く折りだす場合がほとんどですが,思い切って脚を省略して段折りでの表現にとどめています.げんさんの馬や川村みゆきさんの木馬でも採られている手法で,長いカドを出さずに済むので紙の使用効率が良くなる,厚みが出にくいので折り方が簡単になる等のメリットがあります.

その一方で脚を省略するとやはり重要な「らしさ」のポイントを封印することになり,ほかの部分でいかに馬であることを表現するかという難しさもあるので,いつでも取れる選択とは言い難いですね.本作の場合は魚の基本形の山谷の線を45度折り変えた下図の図形が馬の下半身に見えるな,と思ったところから試作を始めていて,見立てがある程度成功していたからうまくいったのかなと分析しています.

 

 

友人が「チューリップの名札が欲しいんだよね」という発言(詳細は不明)をしていたところから考えてみた作品です.チューリップ名札と言えば幼稚園などでお馴染みのモチーフですし,チューリップ部分のギザギザ感や名札部分の四角さなど,折り紙で表現した場合の見せ場が多くて良い題材だな,と作りながら感じました.

チューリップのギザギザ部分は22.5度の倍角でスマートに折りだせて大満足なのですが,名札のインサイドアウト部分が思いの外うまくいかず,変なopensinkを要求される謎高難度作品になってしまいました.構造的にこれ以上やりようもない気がするのですが気が向いたらリベンジしたいです.

 

総評

以上,ざっと振り返ってみました.まだ未発表新作が2個くらいあるので実はこれですべてではないのですが,投稿したら追加したいと思います.

こうして振り返ってみると上半期はわりとスランプで,迷走気味の作品も結構出てたなという印象があります.折りたいものが浮かばなくて,試作してみても思うようにとっかかりが掴めない状況が続いていました.が,夏以降コンベンションや東海例会に参加するようになってからは結構調子良くなった感じがあるので,結局インプットの不足だったようです.本記事では書き損ねましたが最近は「コンプレックス系の作品からシンプル系でまだ折られてない題材を探して折る」みたいな手法も取っていたりするので,インプットは大切にしようと思います.

また今年は折り図の製作がけっこう進んだ年だったなとも思います.夏のコンベンション折り図集にジンベエザメの折り図を出したのが落選してしまって,行き場をなくした図の供養のためにnoteを始めたのですが,それがきっかけで自作品の積極的な折り図化と発表をするようになりました.もともと私の作品では「なるべく簡単に折れる」「折っている過程が楽しめる」というようなことを意識していることが多いので,図を描いて沢山の人に折ってもらえるようにするというのも作品の見せ方の面で重要なのではないかと感じています.

今後も引き続き,自分なりの情報の取捨選択のしかたや折り手順を楽しめること,分かりやすい折図などをテーマにして創作していきたいです.皆様来年度もよろしくお願いします.

第13回折紙探偵団名古屋コンベンションレポート1日目


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こんにちはTommyです.皆様名古屋コンベンションお疲れさまでした.
今回もコンベンションの模様をレポートしていきたいと思います.

本来ならコンベンション期間中に順次記事の公開をしていくはずだったのですが,1日目の段階で展示の写真が全く撮れていなかったりしたため,なんやかんや先延ばしになってしまった形になります(言い訳)

ともあれ始めます.

1日目

今回は地元開催のコンベンションなので自宅から開催地の名古屋芸大に向かいました.
まず名鉄犬山線で「徳重・名古屋芸大駅」に行き,そこから西に1.1km歩きます.
大学のそばにはコンビニがないので,駅から西に歩いて1つ目のファミリーマートであらかじめ買い物を済ませておくとよいでしょう.

会場に着いて受付を済ませると講習希望受付が始まります.今回の受付順位は1日目:11位,2日目:113位となっていたためスムーズに第一希望を取ることができました.初日の講習は以下の通り.
- 1コマ目:拙作オニオオハシ,フクロウ
- 2コマ目:Abrahamさんのミウラチョウ 
- 3,4コマ目:神谷さんのカワウソ

全体会

講習受付が済むと全体会です.今回のコンベンションでは吉野一生基金で韓国からチャン・ヨンイクさんが招待されており,その講演を聞くことができました.講演は氏の折り紙に関する遍歴を紹介する形式でした.彼は韓国の若手作家集団OrigamiPROに参加されているそうです.OrigamiPROは毎年折り図集を発行したり,展示会を企画したりと非常に精力的に活動しているそうです.同世代間の交流の活発性が韓国折り紙界独自のパワーにつながっているんだなという感じがしました.続く質疑応答では中村楓さんから「蛇腹作品を折り図化することには実質的に意義がないのではないか」というかなり強めの質問が出ていて笑ってしまいました.

昼休み

全体会の後は昼休み.コンベンションの方で昼食のお弁当を用意してもらうことができる(追加料金一食につき1000円)のですが,金欠だったので近くのコンビニに調達しに行くことにしました.とはいえ最寄りのコンビニは大学から700mくらいあるので,お弁当を用意してもらう方がよいかもしれません.私は最寄りのファミリーマートに向かい,昼食購入と自分の講習用の折り図印刷をしました.

講習

昼休みが開けるといよいよ講習開始.順に講習の様子を書いていきます.

1コマ目 拙作オニオオハシ,フクロウ
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1コマ目は私の講習でした.同コマの講習の中では招待作家のチャン・ヨンイクさんに次ぐくらいの参加率だったようでありがたい限りです.
今回の講習では試験的に以下のような形式をとってみました.


1. 講習開始と同時にフクロウの折り図を配布する
2. オニオオハシの講習をする(折り図は配らない)
3. 講習終了時にオニオオハシの折り図を配布する


この形式を取ったのにはいくつか意図がありました.折り図配布講習でありがちな「各々が図を見て折り進めてしまい,講習として用を成さなくなってしまう」という現象をなくしたいというのがまず一つ.この問題に対しては講習作品の図を終了時に配布することで対応しています.
次に図なしの講習で起こりがちな,講習者間のレベル差による待ち時間の発生をなくしたいというのがありました.冒頭でフクロウの図を配布し,「待ってて暇な間はこっちのフクロウを折って待っててください」と伝えることで待ち時間のストレスを少しでも軽減できないかと思ったのですが,果たして成功しているでしょうか.

結果,講習自体は時間内に終了し,ほとんどの方は完成させられていたように思うので一応は合格点かなと思っています.受講された方はもし感想があったら教えてください.

あと川村みゆきさんが講習に来てくださって,講習後にコメントもいただけたのでとてもうれしかったです.

 

【宣伝】

noteで講習で配布した図の販売をしています.1作品100円なのでぜひどうぞ

note.com

note.com

2コマ目 Abrahamさんのミウラチョウ

2コマ目はミウラチョウ.同じコマに富永さんのバナナがあったりしてけっこう悩んだのですが,高校時代に科学部でミウラ折りに関する研究をしていたことがあったりしたのでこちらを選びました.

こちらは折り図を各自見て進めるタイプの講習で,やっぱりこの方式のほうが混乱が少なくていいのかもしれないな,などと思ったりしました.早く折り終わった人向けのおまけとしてちょっと難しいミウラチョウの折り図もいただくことができたので満足です.

3,4コマ目 神谷さんのカワウソ


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初日ラストは神谷さんの講習.こちらはさすがに売り切れるのが速かったようで人気の高さを感じます.講習ではまず展開図が配布され,それを参考にしつつ折り工程を説明されるというスタイルでした.展開図が配布されていると講習時に「これから何が起ころうとしているのか」が見えやすいのでいいなと思います.

構造は8等分蛇腹を基本とする整数比角系で,めちゃくちゃ綺麗にまとまっていたので感動しました.これが神谷さんだなあ.

 

懇親会

全講習終了後,懇親会に参加しました.会場は名古屋芸大から少し離れた伏見のリリーバンケットという店での開催です.参加者にはランダムに数字が割り振られており,それに沿って席に座るというスタイルでした.なんやかんやあり私は正面に前川さん,右隣りに西川さん,左隣りにhifumiさん,さらに左隣りに神谷さんという嘘みたいにすごい席に通され,めちゃくちゃ緊張しました.

私は前川さんの本格折り紙から折り紙を始めている人間なのですが,今回初めてそのことをお伝えできたので良かったなあと思いました.コンベンションには高2から何度も出ていたのですが実際に話しかける勇気が出るまでに5年かかってしまったわけですね.

続いてTaonさんらが企画していたゲームをしました.各グループにスポンジ生地,革,フィルムなど様々な素材の正方形が渡され,それらでなるべく早く鶴を折るというものでした.ここでも神谷さんが異常な速度&精度で鶴を折り上げていて,こんなところでも技術の差が出るのかと驚きました.

 

懇親会終了後は流れ解散となり1日目は終了.皆様おつかれさまでした.

初日は展示の写真をあまりとれなかったのでその紹介は次の記事にしたいと思います.

第28回折紙探偵団東京コンベンションレポート②

こんにちはTommyです.コンベンション2日目お疲れさまでした.
昨日に引き続きコンベンションの振り返りをしていきたいと思います.

 

 今日も朝9時から受付がスタート.到着してすぐ講習作品希望を出す感じでした.今日は4コマ目に拙作チェロの講習も入っていたのであまりたくさんは取れませんでした.受講したのは
 1コマ目:ゆーきさんのショートケーキ
 2コマ目:げんさんのカンガルー2022
 3コマ目:休憩
 4コマ目:拙作チェロ講習
 5コマ目:Tatsumiさんのダックスフンド
といったラインナップ.2日目の順位は117番だったのですが,運よく全部第一希望で取れました.一方の私のチェロの講習はなんと完売.同時間帯にパク・ジョンウさんやろいろいさんの2コマ講習があったのであまり集客は期待できないかと思っていましたのでこれはうれしい誤算です.ありがとうございます.

 

午前講習

 そんなこんなで講習スタート.1コマ目はゆーきさんのショートケーキ.シンプルな造形だけでなく,折り工程にも楽しく折れるようなこだわりが感じられる作品です.かのこやくん,ろいろいさんらと講習を受けていましたが,終始ゆーきさんの応援団みたいな感じになってて面白かったです(小並感).後で折りなおせるようにと手書きで折り図を描きながら受講していたらかなり驚かれました.

 

 続く2コマ目はげんさんのカンガルー2022.げんさんはカンガルーを多数創作されていますが,今作は三角錐型の形状による脚の筋肉の表現が特徴的な比較的シンプル寄りの作品でした.最初の数工程を説明したあとでげんさんが
「お気づきの方もいるかと思いますが小鳥の基本形です」
「私はだいたい全部の作品を小鳥か魚の基本形で創作してます」
と言っていて笑ってしまいました.すごすぎる

私が折ったやつです.とってもクール

 

展示

 午後はじめの3コマ目は休憩にして展示品の見物に集中することにしました.例年より1日短いのでうっかりしていると展示品をじっくりみるタイミングを逃してしまいますね.以下個人的に良かった作品をいくつか紹介します.

勝田さんのヒキガエル.勝田さんが考案,探求されている重ね折りの技法を使った作品です.目の表現がかわいい.

川上慧さんのピラルク.うろこの密度に執念を感じます.

 

稲吉さんのラッコ.個人的にラッコは「別に目は折らなくてもええやろ」派なので(参考:https://twitter.com/tommy03ori/status/1685552044999069696?s=20 )親近感を覚えました.

豊村さんの鎧武者.いやすごすぎる.折り紙でこんなん出来るんですね.
私自身折り紙はそこそこ経験があると思っているのもあり,「これが折り紙なんだ!」みたいなタイプの驚きにはめったに出会わないのですが,豊村さんの作品にはそれを感じさせるパワーがありますね.いやなんだこれ.

同じく豊村さんのモアイ.モアイすぎる

 

モニョニョさんのミルフィーユ.すっごいおいしそう.
食べ物系の作品はどうしても色がたくさん必要になったりと独特の難しさがあるので,躊躇なく複合をするというのは良い選択だよなあと思います.

 

ほんしょいさんのユニット作品「ウェーブ」
これはかなりスマートで好きなタイプのユニットだなあと感じました.つなぎ目が分からなくて面白かった

ザキさんのゴリラとチョウチンアンコウ.ゴリラはお尻がかっこいいです(画像どっか行った)

 

 続いて人気投票の展示を見ました.今年のテーマは「辰」,「人物像」の2部門でした.作品は柏村さんが一覧にしてTwitterに上げてくださっているようなのでこちらをご覧ください↓

 

辰部門

人物像部門

 

 レベルが高すぎる.4年空いてる間に折り紙の賞レースってこんなことになってたんだ.というのが第一印象でした.どの作品も素晴らしかったですが個人的には人物像部門の「祈り」(モニョニョさん),辰部門の「辰のおとし子」(ふるおろさん)が良いなと思いました.モニョニョさんの作品は下半身の造形がとにかくしなやかな印象で,「複合だとこんなこともできるんだ(ご本人が"複合ならではの厚みの感じさせなさ"を解説文で書かれていたのでこのように捉えています)」と思いました.ふるおろさんの作品はうろこの折り込みが凄まじくていいなと思いました.

 

午後講習

 休憩をはさんだ後の4コマ目は拙作チェロの講習をしました.折り図を用意していったのでほとんど説明とかはしないで質疑応答するだけみたいな形式になりました.質問が来るのを待ってるだけだと少し寂しい感じになってしまうのですが,今回の会場は黒板がなく口頭の説明がしづらかったので結果的には良かったなと思います.

 チェロだけだと時間が余ってしまったので残り時間はおまけで8分音符と16分音符の講習もしました.50分で3作品講習されている例はあまりないと思うのでちょっとお得な回にできたのではないかと思っています.皆さんお越しいただきありがとうございました.木村良寿さんが講習を受けてくださっていてけっこう緊張しました(ありがたい).

↑講習したチェロの画像です

 

 ラスト5コマ目はTatsumiさんのダックスフンド.めちゃめちゃかわいい.講習も丁寧でわかりやすかったです.やはり東京例会とかで頻繁に講習をされているのは強いなと感じました.

↑私が折ったやつです.かわいい

 

閉会,打ち上げ

 5コマ目の講習が終わると閉会式がありました.コンテストの結果発表は
人物像:taigaさんの牛若丸
辰:えぃくんさんのドラゴン
になったようです.おめでとうございます.

 閉会式後は昨日に続きサイゼで打ち上げに参加しました.今日はろいろいさんと創作についてちょっと掘った話ができたので良かったです.またお話したいなと思いました.

 

 さて,ひとまず私のコンベンションレポートはこれで以上となります(ざっと書いただけなのでまだ何か足すかもしれませんが).4年ぶりに折り紙漬けの2日間を過ごせてとても楽しかったです.皆様また次回の例会やコンベンションでお会いしましょう.

第28回折紙探偵団東京コンベンションレポート①

 
 こんにちはTommyです.ずいぶんと久しぶりのブログ投稿になってしまいました.
 今日は折紙探偵団コンベンションの1日目に行ってきたので,そのレポートをしていきます.こうしてレポートを書くのも実に4年ぶりで,またコンベンションが開催できるようになったことはやはり感慨深いですね.

 それでは朝から順に振り返っていきます.

 

 今年のコンベンションは従来と異なり2日間開催です.例年は8月の第二週の金土日の3日間にわたって開催され,初日は昼過ぎから受付が始まって招待ゲストの講演だけを聞いて解散していました.が,今年はその初日がなくなり,土曜の朝9時からいきなり受付が始まるとのことだったため私としては異例の早起き(5時起床)となり,若干体力的に厳しい中のスタートとなりました.

 地元の名古屋駅で名大折り紙サークルのkomくんと落ち合い,一緒の便で東京に向かい,東大を目指します.今年はいつもの東洋大ではなく東京大学の弥生講堂が会場になっているのでした.

 

到着~受付

 会場に着くと水のさんが受付をしていました.本来はここでチケット見せるらしいですがほぼフリーパスで入場できてしまいウケる.ここで2日間の講習時間割が発表され,講習希望表に第一希望から第三希望の講習を記入していきます.今年は運営の都合上当日まで時間割の発表がなかったため事前に講習希望の作戦を立てておくことができず,会場もややテンパった雰囲気になっていました気がします.

 

講演会

 講習受付の後は一生基金招待者による講演を聞きました.今年のゲストはスペインからオリオールエステべさんと,韓国のパク・ジョンウさん.
 オリオールエステべさんはとても陽気な方で,自身の創作における哲学のようなものをユーモアを交えて解説されていた.主な内容を挙げると

・折り紙らしいデザインをすることを大切にしている.逆に単に写実的なデザインをすることは退屈である
インサイドアウトを積極的に取り入れる
・自らの直観を信じる
・15×15×15ルール

というようなことをお話しされていました.おこがましい話かもしれませんが,どれもかなり私が普段考えていることとかなり近い気がします.特に面白いのが4つ目の15×15×15ルールというもので,これは「15×15cmの用紙を使って15分以内に折れる作品」という意味合いだそうです.「身近にある用紙でなるべく手軽に,何度も折れる作品」というのは私も常々目指しているので,この言葉はすごく刺さりました.これから創作をしていく際の指針として心に置いておきたい言葉です.


 続くパク・ジョンウさんは自身が参加運営しているORIGAMI PROという韓国の折り紙団体のお話をされていました.展示会や懇親のための様々なイベントを企画しており,ちょっと前まで折り紙サークルを運営していた身としては非常に刺激になるお話でした.NU Foldersももっと交流の場としてやれることがあったのではないかなどと考えてしまいますね.

 

講習

 講演会のあと昼休みを挟んで講習が始まりました.私は今日は77番で割と早めだったので,希望の講習を全部取ることができました.受講したのは
 1,2コマ目:神谷さんのアフガンハウンドとブルドッグ
 3コマ目:カン・ヒョンソクさんのタンク(戦車)
 4コマ目:川村さんのサンダーホイール
です.以下順に感想.

 

 まず1,2コマ目,神谷さんの講習はやはり流石のわかりやすさ.110分で2頭の犬種(別構造)を折るので割とハイスピードでしたが,受講者のレベルの高さもあり難なく完成できていたように思います.私は仕上げの怒涛のぐらい折りに苦しめられました.自分のを何とか折り上げてから神谷さんによる作例を見ると本当に
「このひと折り紙がうますぎる...」
という気持ちになります.今更何をと言われるかもしれませんが実際目の当たりにすると「うますぎる」以外の感想が出てこない.天才.


↑うますぎ作例


 あとこの講習のときにガイアさんとささみさん,まさにぃさんにお会いしました.ささみさんあんまりお話できなかったから明日機会があったらお話したいなと思いました(小学生).

 

 続いて3コマ目.カン・ヒョンソクさんのタンク.こちらは50分講習なのですが作例写真のいかにもなインパクトと「50cm四方の用紙を使用(配布します)」の表記から
「ほんとに50分か...?」
という好奇心が沸いてしまい申し込んだ次第です.教室に向かうと案の定時間がないようであわただしく講習が始まりましたがまず対角線に7等分の折筋をつけ,さらに21等分の折筋をつける鬼畜工程で会場はわりとパニック状態に.そもそもカン・ヒョンソクさん自身は2コマ講習の予定だったそうですが,運営の手違いで1コマになったようです.それは苦しい.結局1枚目の紙に折筋つけただけで時間切れになってしまいましたが,講習終了後に折り図を配布していただけるとのことなので,そちらの到着を楽しみに待ちたいと思います.
 個人的にはこういうハプニングこそコンベンションの醍醐味だよなと思ってるところもあるので,非常に楽しかったです.

配布された紙が机に収まってなかったのも個人的面白ポイントです

 

 最後に4コマ目,川村さんのサンダーホイール.最近個人的にユニットに凝ってるので申し込みました.講習はやはり安定しておりわかりやすかったです.8枚組なので50分講習でも難なく折りあげられるのもよいと思いました.裏表ともにクールな仕上がりで満足です.

 

閉会後

 講習終わった後,懇親会申し込んでなかった若手勢8人くらいでサイゼへ向かいました.たけたけさんと昼の講演会の話で盛り上がる.たけたけさんも折り紙創作について私と近い感覚をお持ちの方なんだなと思ってうれしくなりました.めちゃくちゃ楽しかったです.

 

 といったわけで今日はだいたいこんな感じでした.楽しかったです.文字数多くなっちゃったので展示作品の画像はまた別に公開しようかと思います(8/15追記:2日目の記事にまとめて掲載しました).それでは明日もよろしくお願いいたします.

シマエナガ

シマエナガ

創作&折り Tommy03

 

どーもTommyです。

今回はシマエナガの創作記録を書いていきます。

 

 

①創作のきっかけ

本作は前作のニワトリに引き続きNU Foldersの企画「魚の基本形を折る」で製作したものです。

企画の発案者である以上1作品では物足りないかなと思い、何かもう一つ作りたいと思いました。

ここで改めて過去の作品を眺めてみると鳥類の作品が多めなのが分かります。

「鳥ならけっこうなんとかなるのではないか?」としばらく考えていたところシマエナガにたどり着きました。

インフルエンサーさんのツイートで知ったのですがシマエナガって

  ●▲●

の3つの記号だけで顔の見立てを作ることができるんですよね。

これだけのインサイドアウトなら結構簡単に出すことができそうなので実際にやってみることにしました。

 

②試作

とりあえず魚の基本形の長い方のカドに頭、尾を割り振ります。

短い方のカドはインサイドアウトで羽か足の表現に使えそうです。

残りの部分は余った紙でなんとかすることにします。

 

以上をふまえ試作①

これはいけそうな感じがする

まずアイデアの核であった顔の表現がバッチリはまっていて良いです。

●▲●のパーツだけでたしかにシマエナガのかわいらしい顔を表現できました。

顔パーツの折り出しはウミウシの頭部などで使っているカド加工を使っています。

あまり使用例を見かけませんが手軽に1対の短いカドを出せるので便利。

短いカドの使用方法はしばらく迷いましたが胴体の立体化に使うことにしました。

このように1対の短カドをずらすことでふっくらしたお腹が作れます。

羽は余った部分で作ってみましたがまあよさそうな感じですね。

 

問題点としては

・尾はなんか形が違う

・この試作作ってから調べ直したらシマエナガの尾ってあんまり黒くなかった

・この試作では足を省略したけどちゃんと作り込んだ方がよさそう

あたりが挙げられるでしょうか。

 

以上を踏まえ試作②

良いんじゃないでしょうか

・腹部の立体化は折り筋をあまりつけないようにした方が洗練された印象になる

・足をインサイドアウトで表現することにより白い腹部にアクセントを入れられる

と試作①の課題をけっこう解決できたように思います。

尾の形がまだ少し納得いかないためもう少しいじってみます。

 

試作③(画像右)

尾の折り方が確定しました。(左のは比較用の試作②)

やはり鳥類の尾は上向きの三角形の形をしていた方がそれらしさが出ますね。

 

最後に細部の仕上げの微調整をして完成となりました。

 

③総評

我ながらなかなかのクオリティの作品が驚くほどあっさりと完成したと感じます。

締め切りを設定して創作すると想定外に良いものが生み出せることがあるんだなあと感じました。

シマエナガの作品は最近多くの作家さんによって発表されていますが、本作では腹部の立体化によってそれなりに差別化を図れたのではないかと思います。

 

問題点を挙げると

・表から見ることだけを想定した作品なので裏側は微妙

・羽の折り出しが紙の内部からになったためインサイドアウトができなかった

の2点でしょうか。

その辺をやろうとすると別構造を取る必要があるので今回は妥協します。

 

「裏側が微妙」とかは作品の根幹を揺るがす難点なのではないかと言われてしまうかもしれませんが、正面から見たかわいらしさと比較するとあまり気にならない気がします。そのぶん紙の使用効率はかなり良くなってますし。

 

ありがたいことにけっこう多くの方から好評をいただきました。折り図化はしないのかと聞いてくださっている方もいるのですが、最後の方に立体工程がかなり多いので未だ着手できずにいます。。

工程が確定したらゆっくり描いていこうかと思っているので気長にお待ちいただければと思います。

 

ニワトリ

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ニワトリ

創作&折り Tommy03

 

こんにちはTommyです。

今回はニワトリの創作記録です。

 

今回は目次をつけてみました。

だいたい下のような構成になっています。

 

1.創作経緯

今作はNU Foldersで開催した競作企画「魚の基本形を折る」で製作したものです。

せっかくサークルをやってるんだし何かそれっぽいことをやりたいなーと思って

 

・期間1週間

・くじで決定した何らかの基本形を改造した作品を発表する

 

というコンセプトで競作企画をやることを考えました。

 

詳しくはこちらのサークルのページで書きましたので見て頂ければと思います↓

魚の基本形を折る【NU Folders競作企画】 - NU Folders

 

さて、企画を立てたからには自分自身も作品を1つ以上出さなければならないと思い

「とにかく短期間に作品として形にする」

ことを目標に創作を開始しました。

 

 

2.基本アイデア

くじの結果お題が魚の基本形になった際、以前から考えていた

「魚の基本形からニワトリを作る」というアイデアに着手しようと思いました。

魚の基本形は長いカドと短いカドが2つずつ出るのでそのままの形で頭、尾、脚のパーツになってくれそうです。

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さらに前作のフグで「立体化の構造を盛り込む」というアイデアを使っていたため、この構造をニワトリの胸部の表現にも採用してみることにしました。

今思えばコマツさんの小鳥でも同様の手法がとられているので鳥類に採用するというのも芸の無い話かもしれません。

 

以上の要素を基本のアイデアとしてひとまず試作してみたものがこちら。

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とっかかりとしては十分な状態と言えるのではないでしょうか。

これならなんとか形にできそうだと思い頭部と尾を作っていくことにしました。

 

3.頭部を作る

先ほどの試作で残ったカドを使って頭部を作っていくことになります。

頭部を作るにはやや紙が不足ぎみな感じもありますがなんとか紙を弄っていき

このような形に行きつきました。

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なんとなくトサカと肉垂れの部分が出来ました。

かなり好みな見立てなのでこのまま使いたいのですがくちばしが足りませんね。

どうにかしてくちばしのカドをひねり出すべく紙の余っているところを探すと、トサカの周りにごくわずかですが余っているスペースがありました(ここしかない)。

これを強引に引き出したものがこちら↓

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少しですがくちばしのカドが出せました。

これを仕上げで最大限長く見えるようにゴリ押したものが完成品の頭部になります。

かなり無理な折りが連続していますが一応それらしい形になっているので良しとします。

 

4.身体・尾の仕上げ

尾の方は紙の量にかなり余裕があったのでスムーズに仕上げが決まりました。

というか単純に中割り折りをしただけでこれといって珍しいことをしていないというのが実際のところです。これ以外やりようはない気もしますし。

ニワトリのボディは背中側のラインが大きく反っているとそれらしさが出る気がしているのでそこは少し気を遣ってみました。

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5.総評

そんな感じで一応完成しました。

今回のテーマである「とにかく短時間で形にする」という目標はそれなりに達成することが出来たのではないでしょうか。

時間を縛って創作をすると時短のために普段は取らないような手段を取らざるを得ないこともあるので、自分の能力の幅を広げるという意味では良い取り組みなのではないかと感じました。

特に頭部の加工はカドの折り出しから仕上げまで全編にわたってかなりの荒業で作っているので自分にもこんなやり方ができるんだなと興味深く感じます。

 

作品自体はやはり短時間で創作したものなのであまり自分らしさ(?)が発揮できていないですね。全体のたたずまいや頭部の形状などはげんさんや勝田さんの影響下から脱せていないので、ニワトリという題材にはいずれリベンジしたいです。

フグ

フグ

創作&折り:Tommy03

 

どーもTommyです。今回は先日Twitterで紹介したフグの創作記録をまとめていきたいと思います。

 

5年くらい前に何かの番組で偶然フグの特集を目にした際に心をつかまれ、いつかは創作してみたいものリストの上位にありました。

まあ相当時間がかかってしまいましたがこうして完成させられたものを見るとなかなか感慨深いものがありますね。。。

 

創作記録に入ります。

 

<着想>

デザインの核は身体をふっくらさせるための立体化構造。

折り工程の最後に内側に指を入れて立体化させるというやつですね。

有名なところではコマツさんのパンダや小鳥、川畑さんのラマなどでも使われている技法で、

ぐらい折りを使わずに立体的な造形ができるという特徴があります。

個人的に好きな構造で、自作品にも取り入れてみたいと思っていたためこれをとっかかりとして創作を開始しました。

フグのぷっくりしたふくらみの部分にこの構造をうまく盛り込めれば面白い造形になるのではないかという目論見です。

 

<試作① 構造、基本形作り>

立体化に必要な折り線構造はこちら。

中央の平行四辺形部分が立体化した際の面にあたる部分になります。

これを正方形の適切な位置に配置して立体化を行えるようにすればいいことになります。

ひとまずダイヤ型にカド配置を取ることを考えると紙の中央付近に立体化構造、上下のカドを頭部と尾、左右のカドをヒレにするとおさまりがよさそうです。

次に実際に試作をしてみるにあたって完成形の予想図を描いてみました。

おおざっぱにですがフグの折り紙作品としての全体像をつかみ、頭部、立体化構造、腹びれ、尾びれの大きさのバランスを考えることを目的としています。

完成形の目標としては

・身体の上半分と下半分をインサイドアウト

・とにかく身体をふっくらさせる

の二点でしょうか。早速試作をしてみます。

 

先ほどのカド配置構想に従ってヒレと身体の折り出し比率を考えます。

折り出しが簡単なものだとまず浮かぶのは下の二種類。

※赤い三角がヒレの部分です

これらの比率に立体化の構造を適当な位置に入れて何枚か紙を捏ねてみるとだいたい下の感じの基本形に行きつきました(記憶があいまい)。

先ほどの予想図をおおむね満たした感じのものができたのですが今一つフグに見えません。

身体のふくらみを意識するあまり全体のバランスが悪くなってしまっている感じですね。

改めてフグをスケッチしてみるとやはりフグの身体は下半身の腹~尾びれにかけてのなだらかなラインが重要な気がします。

以上を踏まえ思い切って先ほどのフグの下半身のカドを押し込んでみました。

いかがでしょうか?

一気にフグらしくなった気がします。

「これはいける」と思い一気に仕上げを詰めたものが完成形になります。

 

<試作② 仕上げ>

以下細部の詰めの際に特に意識したポイントをメモしておきます。

 

①口

当初は口はこのような形状になっていました。

フグのイラストをいくつか当たるとかなり唇をふっくらと描いたものが多いことが分かります。それらのイラストに合わせて仕上げたものですが今一つしっくりきませんでした。

 

しばらくの試行錯誤の結果、下のように下唇をしゃくれた形にすることで解決しました。

今回のフグはかなり身体のふくらみを誇張してはち切れそうな形状になっているため、「口はかなり堅く閉じられている」と考えられます。下あごをしゃくれた形状にすることでより口の「閉じている」感を出せたということなのかな?と思っています。

 

②尾

初めの仕上げ案では尾をかなりシャープな形にしていました。いろいろな画像をあたってみると少なくともフグの尾とは言えないですね。

尾の仕上げは下のような形に決定しました。

フグの尾びれはかなり丸みを帯びているので、それを表現するべく余っている紙をギリギリまで引き出しました。

 

<展開図>

最終の展開図です。

折り出しがシンプルだったこともあり何人かの方に展開図折りして頂きました。感謝。

 

 

<総合評価>

・今回の創作は私の作品の中でもかなり行き当たりばったりの色が強く、比率の折り出しは完全に運頼みなところがありました。1:√2ではまってなかったらこの作品は生まれてないなという感じがします。

・完成形の体長が元の用紙の1辺の0.73倍とやけに効率が良い作品になりました。

・360度どこからの鑑賞にも耐えられるのも良いポイントだと思います。

・他作家さんのフグの作例を見ていると背中側を平らに作っているものが多く、今作ではそこまで手が回らなかったのが惜しいところです。が今の状態のおさまりの良さを考えるとひとまずは妥協かなというところです。

 

創作⇒ブログ作成までの期間が長すぎて折り図も完成してしまっていたりします。

折り図化にあたって内部の留め折りの仕方がすこし変わりました。

今年のコンベンション折り図集に投稿しようかなと思っていますので採用された際にはぜひ折ってあげてください。

よろしくお願いいたします。