— Tommy03 折り紙 (@tommy03ori) 2024年2月23日
アルパカ
創作&折り Tommy03
今年はじめの動物作品。顔の表現に難航しましたがそれをクリアしてからはかなりスムーズにできました
魚の基本形より。 pic.twitter.com/q4TpEJggbI
アルパカ
創作&折り Tommy03
こんにちはTommyです.キーボードを新調したので試運転にちょっと文字打ちたいなと思い,久々に創作記録を書いてみることにしました.今回はちょっと前に創作したアルパカの話です.
制作のきっかけ
朝のテレビ番組を見ていたら某芸人さんがアルパカを連れて街を歩くロケをしていて,「そういえばアルパカってシンプル系ではあんまり折られていない気がするな」と思って考え始めました.画像を見ているよりもテレビとか動画で見た方がインスピレーションが刺激される気がしますね.
制作
基本アイデアを出す
今回は題材を決めてから制作に取り掛かる流れになったので,とりあえず題材のことを把握するべく絵を描いてみます.大まかに輪郭をとってみたりデフォルメしたイラストを描いてみたりして目指すべきデザインを決める感じですね.
実際の絵がこちら.(左はスケッチ,右はデザイン案)造形する上で外せなさそうなのは
・顔のインサイドアウト
・耳
・頭の上にふわふわ(毛)をつける
・首は長めに
・概形はアルファベットの"L"のような形にする
あたりでしょうか.顔の部分は目指すべき完成系を図形の集合としてスケッチしてみているので,この辺を意識しつつ部分試作に入っていきます.
頭部の試作①
部分試作に入ります.今回は(だいたいいつもそうですが)頭部から折り始めることにしました.頭部に耳,顔,頭部の毛で大きく分けて4つはカドを折りだす必要があったことと,アルパカの体は尾が短いため体の折りだしにそんなに気を配らなくても領域が不足することはなさそうだという判断のもとこの順番で作っています.
さて,先述の通り頭部に4つカドを用意する必要があるのですが,これは拙作の中ではかなり複雑な部類になります.特にうまいやり口も浮かばなかったので第一の作戦として付加領域を用いることを考えました.下の図のように帯状の領域を用意しておき,この部分で耳や頭部の毛を折りだす方法を考えてみることにします.
やってみたのがこちら.右の図に示すようなカド配置になっています.これは全然ダメで,
・耳の出方が変(重なりの順番がおかしい)
・顔が内部カドなので厚ぼったい
・頭部の毛の出方が不自然
という感じで改善策を考えても良い結果が期待できそうにありません.付加領域での頭部形成はいったん諦め,別の方法を探ることにします.
頭部の試作②
というわけで付加領域案は没になったのでシンプルに角カド(正方形のカドから出す22.5度の角)を加工して頭部を折り出せないか考えてみます.この方法がハマると身体との接続が一気に簡単になるのがうれしいところ.
初めに述べた通り顔のインサイドアウトと頭部の毛の表現はマストなのでその部分の実現方法から決めていきたいところです.先ほどの試作から「顔を内部カドでやると苦しむ羽目になりそう」と感じていたので今度はカドの先端から顔を折りだしてみます.
頭部の毛は余った部分を2回かぶせ折りしてみます
なんかできてしまった
あれだけ苦労していた耳もなんやかんや出てきてしまいました.とりあえず22.5度の長いカドが1個あれば頭部が作れることが分かったので続いて身体を作る方法を考えていきます.
身体の製作
頭の作り方は確定したので身体(と全体)の作り方を検討します.アルパカは身体のバランス的に頭~首にかけてのパーツが大きいので,前脚をカドに置く配置が合いそうな気がします(下図参照).この配置にすると最近はもはやお馴染みとなった魚の基本形がハマりそうだったのでとりあえず折ってみることにしました.
いきなりできた
見立て通り魚の基本形の長いカドに頭,2本の短いカドに前脚,残るカドで後ろ脚~尾を折ることできれいに収まりました.というわけでこの画像のものからすこしバランスを調整して完成.
総評
頭部の試作でかなり難航しましたが,頭部の折り方が決まってからはかなりスムーズに創作できたかなと思います.やはり扱いに慣れている基本形に帰着させることで制作がうまく運びやすくなるのではないかと思います(当然かもしれませんが).
良い点
制作の項では触れられなかったのですが,思いがけない幸運として後ろ足に充てたカドの余った領域で背割れ部分を隠すことができました.インサイドアウトの作品は必然的に裏表の色が違う紙を使うことになるので,背割れで意図せず紙の裏側の色が出てしまうと造形に大きな影響が出てしまいます.それを回避できたのは大きな収穫だなと思います.
また完成してみてから改めてアルパカの折り紙作品の作例やイラストなどを調べてみるとほとんどのもので脚を細く長めに作っていることに気づきました.私の手癖の影響で本作の四肢はかなり太く短めになっているのですが,不思議と造形やアルパカらしさにマイナスの影響は与えていないように思います.
反省点
けっこう気に入ってる作品ではあるのですが,留め折りにあたる工程を仕込むことができなかったので折ったままだと体が開いてきてしまい自立しません.
手前が糊付けなし,奥のはちょっとだけ糊付けしてるものです.ご覧の通り自立してくれません.前脚をカドから出していることもあり上半身の重みを支えきれないようです.無理やり留めを作って立たせることもできなくはないのですが折り工程の難易度が上がりすぎてしまうので糊付けしてしまうほうがいいかなというのが私の考えです.糊付けなしでもしっかり自立する作品作りが今後の課題と言えそうです.