「馬」
創作&折り Tommy03
使用紙 市松千代紙15㎝×2枚
過去作第5弾。今年の4月の創作です。
たてがみの表現が折り紙らしくて気に入っています。
この作品で初めて「第24回折紙探偵団コンベンション折り図集」に図を掲載して頂きました。
展開図です。上半身(左)と下半身(右)で2枚使っています。
初の複合作品となりました。
創作時の話です。
とっかかりはこの試作でした。
よくある馬の頭部なのですが、余ったカドををギザギザに折ったところ、
たてがみの表現としてはあまり例がない面白そうなものができました。
「これは楽しそう!」とすぐに次の試作にとりかかりました。
いい加減な角度で折っていたギザギザを45°ベースに修正し、顔の表現も変更した2つ目の試作がこちら。
耳をスムーズに折りだすことができ、顔もあまり折り込まずに馬らしくなりました。
「これは面白い造形になるぞ!」と思ったのですが、ここで一つ問題が発生しました。
展開図を見ると分かりますが、たてがみを折りだす都合上、
構造がブック型に限定されてしまいます。
全体をブック型の配置にすると、身体に使える紙の量が少なくなってしまうので、
馬のように脚を長く折りだしたい作品では避けたいところです。
そのためなんとかダイヤ型の配置で作り直せないかと頑張ってみましたが、
紙がかなり厚くなってしまい現実的でないので断念。
せっかく良い頭部ができたのでなんとか活用したいと考えたところ、
2枚複合にするというアイデアが浮かびました。
複合にすれば、紙の厚みがアンバランスにならず、四肢も十分な長さにできそうです。
これまでずっと不折正方形1枚折りで創作をしてきましたが、
ここで一度複合作品をやってみるのも面白いかもしれないと思い、
頭部を折りだした紙の残った部分で前脚を折り、胴体と下半身を別の紙で作ることにしました。
紙の用意のしやすさの観点から、2枚の紙の大きさは統一することにしました。
すると問題になってくるのが下半身の構造です。上半身の出来上がりサイズが
比較的大きかったので、かなりシビアな紙の量での折り出しになりました。
結果少し変則的な構造になり、折りの難易度が高まってしまったのが惜しいところ。
後ろ脚も長さが足りていないので、いつか改良しなくては。。
まだまだ改善点もありますが、初めて複合をやることになったり、
折り図を本に掲載して頂いたりと、思い出に残る作品になりました。
造形の一部に幾何学的なパーツを組み込むのはとても面白い技法なので、
これからもたくさん取り入れていきたいなあと思います。