フグ
フグ
創作&折り:Tommy03
どーもTommyです。今回は先日Twitterで紹介したフグの創作記録をまとめていきたいと思います。
5年くらい前に何かの番組で偶然フグの特集を目にした際に心をつかまれ、いつかは創作してみたいものリストの上位にありました。
まあ相当時間がかかってしまいましたがこうして完成させられたものを見るとなかなか感慨深いものがありますね。。。
創作記録に入ります。
<着想>
デザインの核は身体をふっくらさせるための立体化構造。
折り工程の最後に内側に指を入れて立体化させるというやつですね。
有名なところではコマツさんのパンダや小鳥、川畑さんのラマなどでも使われている技法で、
ぐらい折りを使わずに立体的な造形ができるという特徴があります。
個人的に好きな構造で、自作品にも取り入れてみたいと思っていたためこれをとっかかりとして創作を開始しました。
フグのぷっくりしたふくらみの部分にこの構造をうまく盛り込めれば面白い造形になるのではないかという目論見です。
<試作① 構造、基本形作り>
立体化に必要な折り線構造はこちら。
中央の平行四辺形部分が立体化した際の面にあたる部分になります。
これを正方形の適切な位置に配置して立体化を行えるようにすればいいことになります。
ひとまずダイヤ型にカド配置を取ることを考えると紙の中央付近に立体化構造、上下のカドを頭部と尾、左右のカドをヒレにするとおさまりがよさそうです。
次に実際に試作をしてみるにあたって完成形の予想図を描いてみました。
おおざっぱにですがフグの折り紙作品としての全体像をつかみ、頭部、立体化構造、腹びれ、尾びれの大きさのバランスを考えることを目的としています。
完成形の目標としては
・身体の上半分と下半分をインサイドアウト
・とにかく身体をふっくらさせる
の二点でしょうか。早速試作をしてみます。
先ほどのカド配置構想に従ってヒレと身体の折り出し比率を考えます。
折り出しが簡単なものだとまず浮かぶのは下の二種類。
※赤い三角がヒレの部分です
これらの比率に立体化の構造を適当な位置に入れて何枚か紙を捏ねてみるとだいたい下の感じの基本形に行きつきました(記憶があいまい)。
先ほどの予想図をおおむね満たした感じのものができたのですが今一つフグに見えません。
身体のふくらみを意識するあまり全体のバランスが悪くなってしまっている感じですね。
改めてフグをスケッチしてみるとやはりフグの身体は下半身の腹~尾びれにかけてのなだらかなラインが重要な気がします。
以上を踏まえ思い切って先ほどのフグの下半身のカドを押し込んでみました。
いかがでしょうか?
一気にフグらしくなった気がします。
「これはいける」と思い一気に仕上げを詰めたものが完成形になります。
<試作② 仕上げ>
以下細部の詰めの際に特に意識したポイントをメモしておきます。
①口
当初は口はこのような形状になっていました。
フグのイラストをいくつか当たるとかなり唇をふっくらと描いたものが多いことが分かります。それらのイラストに合わせて仕上げたものですが今一つしっくりきませんでした。
しばらくの試行錯誤の結果、下のように下唇をしゃくれた形にすることで解決しました。
今回のフグはかなり身体のふくらみを誇張してはち切れそうな形状になっているため、「口はかなり堅く閉じられている」と考えられます。下あごをしゃくれた形状にすることでより口の「閉じている」感を出せたということなのかな?と思っています。
②尾
初めの仕上げ案では尾をかなりシャープな形にしていました。いろいろな画像をあたってみると少なくともフグの尾とは言えないですね。
尾の仕上げは下のような形に決定しました。
フグの尾びれはかなり丸みを帯びているので、それを表現するべく余っている紙をギリギリまで引き出しました。
<展開図>
最終の展開図です。
折り出しがシンプルだったこともあり何人かの方に展開図折りして頂きました。感謝。
<総合評価>
・今回の創作は私の作品の中でもかなり行き当たりばったりの色が強く、比率の折り出しは完全に運頼みなところがありました。1:√2ではまってなかったらこの作品は生まれてないなという感じがします。
・完成形の体長が元の用紙の1辺の0.73倍とやけに効率が良い作品になりました。
・360度どこからの鑑賞にも耐えられるのも良いポイントだと思います。
・他作家さんのフグの作例を見ていると背中側を平らに作っているものが多く、今作ではそこまで手が回らなかったのが惜しいところです。が今の状態のおさまりの良さを考えるとひとまずは妥協かなというところです。
創作⇒ブログ作成までの期間が長すぎて折り図も完成してしまっていたりします。
折り図化にあたって内部の留め折りの仕方がすこし変わりました。
今年のコンベンション折り図集に投稿しようかなと思っていますので採用された際にはぜひ折ってあげてください。
よろしくお願いいたします。